2007年7月分



第3期

「好きな人に好きになってもらうにはどうしたらいいんだろ・・・・・・」
「うーんやっぱり好意を伝えてみるのが一番じゃないかな」
「そうかな」
「うん。だって誰だって好意をもたれると嬉しいと思う」
「でもいきなり一足飛びに告白というのもちょっと・・・・・・」
「別に告白する必要はないと思うよ。
まずは行動であらわしてみたりとか。
その人が嬉しいことをしてあげたり誕生日にプレゼントあげたり
そうしたらああ好かれてるんだな、ってわかると思うんだ」
行動。うん最もだ。だけど
「今あげられた例のやつはもう全部やってる、かな?」
多分。あの人の中ではきっと
戦闘=楽しい、または嬉しい
だろうし、誕生日は毎年祝ってるし
役に立ちたかったから紅茶の入れ方とかも覚えたし。
すでにそれが普通なので、今更好意を表すことにはならないかもしれない。
「あの、十代目・・・・・・」
「あ、なに? 獄寺君。何か思いついたの?」
「い、いえ・・・・・・」
(ヒバリなんてさっさと諦めて他の相手探しましょうていうか
笹川でもいいですからこの際!!)

ていうかなんでここにいてしまったんだ、俺。

無自覚シリーズ(?)綱吉自覚後フライング。
京子ちゃんと綱吉+ツナは京子ちゃんが好きなんだと
信じていたかったけど無理だった獄寺(爆)








「で?どうして僕の学校がこんなになってるんだい綱吉」
「ふいまひぇん!い、いひゃいれすひはりさん〜」
敵の部下を咬み殺し血路(読んで字のごとく)
を開いてきた美しき侵入者はえらくご立腹だった。
なかなかに強い力でぐにぐに頬をひっぱられながら
(ていうかほんと痛い。つねられてるぐらい。
結構本気で怒ってるらしい本当に学校好きだこの人)
でも来てくれたのは嬉しくて。
喜んでいいやら痛さに泣けてくるやら。
「テメーッ!十代目に何しやがる!」
「うるさいよ駄犬」
ようやく手を離してくれはしたものの
まだつねられた余韻が残っていてひりひりする。
きっと今オレの頬は真っ赤だ。
ただでさえあまりよろしくない容姿なんだから
ますますひどくしなくたって。
「怪我はない?」
「あえていうなら今ひっぱられたほっぺたが
いたっ」
ぺしっと今度は頭をはたかれた。調子にのりすぎたらしい。
それでもこの人にしてはものすごい手加減っぷりに
ちょっと笑ってしまう。
「おかえりなさいヒバリさん」
「うん」
数日ぶりのその姿が嬉しくて少々にやけながらそう告げると
相手も少しだけ目つきを和らげて返事をしてくれる。
嬉しい。
数日ぶりに会うだけでこんな感傷にひたるほど
普段からよく会ってる訳じゃないけど、やっぱり近くにいるって
わかってるのとそうじゃないのとでは全然違う。

いきなり仲の良くなったように見える俺達に
困惑して止まってしまった仲間に気づくのは
もうちょっと後の話だ。


無自覚シリーズフライング(?)というか多分没ネタ。
ツナのほっぺたひっぱって怒る雲雀さんがかきたかった。(意味がわからない)
リボーンに関係がばれて仲間にはばれてなかった感じ。
ヴァリアーメンバーもなんだこいつら、みたいに見てると思います。
いっそ雲雀さんが全員かみ殺して一件落着でもよくね?
たぶんこの話の雲雀さんなら1人でヴァリアー殲滅できるよ!
これが書き直されて日の目を見る日がくるのかは不明(爆)



第4期

「リボーンさんは本当にヒバリの奴をファミリーに入れる気なんでしょうか。
俺はぜってー反対です!!あんな奴信用できません!」
その台詞にオレはむっとした。
「そんなことない!ヒバリさんは信用できる人だよ!」
「じゅ、10代目っ?!ど、どうなさったんですか?!」
「ヒバリさん強いし、オレ絶対助かると思う」
「じゅ、10代目!そんなことありません!
あんな奴より俺の方が役に立ちます!
10代目は俺とヒバリどっちを信用なさるんですか?!」
「え?ヒバリさん(アッサリ)」
「じゅうだいめぇええええー?!」
あ、しまったつい本音が。
「お、俺・・・・・・ヒバリの野郎程度も信用されてないなんて・・・・・・
俺の何が悪かったんですかおっしゃってください10代目ーー・・・・・・!!」
この世の終わりかと思うほど泣き崩れる獄寺君。え、ちょっと。
「いや、別に獄寺君を信用してない訳じゃないって!落ち着いて獄寺君!」
ていうか獄寺君比べる対象が間違ってるんだもん。
オレヒバリさんより信用してる人なんていないし!
それを伝えれば少しはましかもしれないが、
(いややっぱり泣くかもしれないが今よりはたぶんおそらくまし)
そんなこと説明ベタな綱吉がわかるはずもない。
会うたびに殴りかかってきて、全然信用がないはずの「ヒバリ」より信用がないと言われて
獄寺は今にも腹を切りそうな勢いである。


自称右腕のさりげなく生死をかけた昼休み。





無自覚シリーズいったいぜんたい〜 ギャグver
言っちゃった綱吉(え 予想が現実になった版(爆)
綱吉の「あ、しまったつい本音が」っていう台詞を書きたかったんです。
そういえばこの話だと綱吉自覚しませんね。
しなくても「つい本音が」なんですが(爆)






ちょうど目障りな群れを咬み殺した直後。
鳴り響いた校歌に着信を知って、部下からかと思いながら通話ボタンを押した。
『きょ、きょうやさっ・・・・・・!!』
「綱吉?」
意外にも聞こえてきた声は風紀委員の部下よりも聞きなれたそれ。
あの子が電話をかけてくるなんて珍しい。
『お、オレひ、ひとっ・・・・・・ひくっ・・・・・・』
「・・・・・・落ち着きなよ。何、どうしたの」
『オレ人殺しちゃったっ・・・・・・!!』
「は?」
また何を言い出すのかと思えば。
『うわーんきょうやさんおれしけいなっちゃっても
わすれないでくださっ・・・・・・うぇ・・・・・・』
「・・・・・・」
もっとはっきり喋りなよ意味がわからないよとか。
日本ではそう簡単に死刑にはならないよとか。
第一君未成年だろまずそれはありえないんじゃないのとか。
大体もし死刑だろうがなんでその程度で綱吉を殺されなければならないんだ
別にそれぐらいもみ消すし勝手に今生の別れをしてるんじゃない馬鹿じゃないの(いや馬鹿だけど)とか。
どこからつっこむべきだろうか。
そもそも―――・・・・・・ああもう埒があかない。
「じっとしてて。今から向かうから」
ショックでまともな会話にならない通話を問答無用で切った。
すると再び切ったばかりの携帯が鳴り出す。
今はそれどころではないし切ってしまおうかと思ったが、なんとなく予感がして通話ボタンを押す。
「もしもし」
『チャオッス、ヒバリ』
「赤ん坊?何の用?」
『頼みてーことがあってな。死体の処理はできるか?』
ビンゴ。年齢不相応の物騒なことをのたまう赤ん坊に、
並盛の風紀委員長は別段驚きもしなかった。
「もちろん。貸しひとつね」
『ツナにな』
「へぇ、あの子?」
『無意識にもコソ泥を銃で一発だ』
「ふーん・・・・・・で、今回も君の仕業な訳だ」
『何のことだ?』
明らかにわかっている笑みさえ想像できる声色で、赤ん坊はとぼける。
いい性格をしている。
「いいけどね。まあこれから向かうから数分後に」
そして2度目の通話を終わらせる。完全に通話が切れていることを確かめ。
ふ、と嘲笑めいた息がもれる。そもそも。

「あの子が無意識でそんなことできるわけないじゃない」

だてに10年近くも交流があるわけではない。
―――あの子が人を殺す?ばかばかしい。
争うことが嫌いで傷つくのも傷つけるのも嫌いで。
己に傷をつける度、いまだに泣きそうな表情をするあの子が。
無意識ならなおさら。コソ泥ごときで人を殺そうとするなんてあるわけがない。
本人は自身がそんな善人だなどと思っていないらしいけれど。
それでも己は知っている。

「あの子が人を殺すのは、あの子がそう決めた時だけだ」


時折見せる、全てを背負う覚悟で。たった一人で手を汚す。
できることならそれが―――・・・・・・。

「―――は、何を考えているんだか」

一瞬自分が信じられなかった。どうしてそんなことを思ってしまったのか。


その相手が自分だけならいい、などと。


咬み殺すのは好きだが、逆は大嫌いだ。そうしてかぶりをふってバイクにまたがる。
ひとまずは綱吉の家に向かわなければ。




―――そうして僕だけを殺して、一生そのことに捕らわれればいい。





自身がそう思ったことなんて、雲雀はまだ気づかない。



・・・・・・無自覚シリーズ小話。あれ、なんでこんなに長い上に
シリアス・・・・・・?なにをどう間違えたんだ・・・・・・。
モレッティさん話。もう会えなくなると思って雲雀さんに電話する綱吉(自覚前)。
そして雲雀さんも自覚前だと言い張ります。そんなばかな。



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