娘ver 娘は→雲雀ひな

「大きくなったら僕のお嫁さんになってくださいね」
「や」
どきっぱり。
「とーさんむくにちかづくなって」
かーさんもきをつけろっていってた。
ちっ、と舌打ち。
「いえいえ雲雀くんは将来の息子に対して照れてるだけ――……」
「その子に近づくな変態が」
ドベギャッ
鈍器が直撃した、およそ人が生み出したとは思えない音が響く。
「大丈夫?この変態に何もされてないだろうね」
「とーさん!」
少女は大喜びで男の腕から抜け出し父親にかけよった。
「おかえりなさい!」
「うん、ただいま」
抱きついてきた娘を優しく抱き上げて、額に軽くキスをおくる。
娘もおかえしとばかりに頬にちゅ、と可愛らしいキスをして、なんともほほえましい光景である。
雲雀の斜め後ろ、いつもの低位置に佇む草壁は、まさか主のこんな姿を
見る事になるなんて、出会った頃はどうまかり間違っても想像もできなかった。
「あ、くさかべさんもいるー!こんにちはー!」
「はい、お久しぶりです」
にっこり笑う子どもは大層愛らしい。子どもは父親の部下である男に随分懐いていて、
草壁はなんだか慣れないことにくすぐったいような気分になりながらも、やはり嬉しい。
「ひ、ひなちゃん……ウエディングドレス、着たくありません?」
しぶとく生き残っていたらしい変態―もとい骸は、子ども相手には効果てき面な、モノでつり始めた。
「どれすーー?うーん……きてみたい!」
母親とは違い女の子らしい女の子である少女は、そういったものがもちろん大好きだ。
ドレスにだってもちろん憧れがある。
「だけどお父さんの言う通りにしていたら誰とも結婚できませんから、着られませんよ」
「ええー……」
「だから雲雀くんの言葉はおいておいてぼくと―――……」
「や」
例え物でつられようとそれだけはきっぱりと否定する。
「例え空から槍がふろうと天変地異がおころうと君には嫁にやらないよ。
僕が認めない奴は指1本触れさせる気はないからね」
むしろ例え他の誰を認めようとこの男を認める日は絶対にないだろう。
「そんなこと言ったって君が認める相手なんかいないでしょう。例えば爆弾君だとか」
「論外」
「山本武」
「能天気すぎ」
「笹川了平」
「馬鹿すぎ」
というか何故全員あまりに年上な守護者ばかりなのか。せめて赤ん坊ぐらいをだしてこればいいものを。
「ほら、やっぱり誰も駄目なんじゃ―――」
「じゃあひな、くさかべさんとけっこんする!」








「……はい?」







そう言ったのは、誰だったのか。
ぴしり。と、空気が凍った気がした。
い、いまなんと?!この無邪気な子どもはどんな問題発言をしてくれたのか。
懐かれているとは思っていたが、いくら子どもの発言とは言え本来なら父親が言われることが多い台詞を、
まさか自分が言われるとは思っていなかった。
走馬灯のように今までの記憶がかけめぐる。
ああ、短い―と言うかは微妙だが―間でしたが、自分は委員長―もう違うが―にお仕えできて幸せでした。
草壁はその瞬間、一昔前の武士のごとく、潔く死を覚悟した。

「……その手があったか」
「はい、恭さん、覚悟しておりま―――はい?」
「そうですよね、草壁さんならオレも安心だし」
「うん、ひな、頑張りなよね」
「うん、がんばる!」

ええーー。

ちょ、ま。

「ちょっとまってください雲雀くん!!僕は駄目でそのおじさんならいいとはどういう了見です?!」
先にその言葉を発したのは論外どころか唯一レベルで排斥扱いをされた骸だった。
「草壁は僕と同い年だよ」
「ああそういえば―――って違いますよ!僕の何が彼に劣っていると?!」
「全部」
「全部に決まってるじゃん。一番は日頃の行いと人間性?」
親2人は容赦なかった。
「いや、あの……」
「ひな泣かせたら容赦しないからね」
「いえ、ですから……」
「草壁さん、ひなをよろしくお願いしますね。
あ、恭弥さんに似て結構しっかりしてますから大丈夫ですよ!」
何がだ。





いえ、衝撃の標的158を見て感想の部分に書いた草壁さんにだけ懐くヒバツナの子に
予想外にも皆さん同意してくれたので調子に乗りました(爆
いやだって本誌雲雀さんあまりにも草壁さん好きなものだからつい……
このヒバツナはひょっとして無自覚の2人だったりするんだろうか(おい
勢いでかきたいところだけ書いたので設定もなにもあったもんじゃありません。ついでに文にもなってません。
ちなみに息子verもあったりします(死んでしまえ!

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