非常に短い草誕小話。
突発息子&娘ver 息子は→雲雀蒼弥 娘は→雲雀ひな
※子どもネタが苦手な方は注意





「くさかべさんおたんじょうびおめでとう!」
「おめでとうございます」
小さな子ども達は長身の青年を見上げ、笑顔で祝いの言葉を贈る。
あまりにも予想外な台詞に、草壁は目を瞠った。
しかしやがてその言葉を理解すると、くすぐったいが可愛らしいお祝いに、
草壁は自然と表情を和らげ、子ども達と視線を合わせるようにしゃがみこんだ。
「ありがとうございます」
「うん!」
「よく、知っておられましたね」
「おにいちゃんがしらべてくれたの!」
驚いて少年へと顔を向ければ、無表情ながらも、少々照れたように視線をそらされる。
胸の内が温かいもので満たされるのを感じた。
「ありがとうございます、若」
「・・・・・・いえ」
兄が嬉しそうなのが嬉しいのか、少女もまたにこにこと笑んだ。
「ぷれぜんともあるよ!」
はい、と渡されたのは、折り紙で作られた花と、メッセージカードがそれぞれ2つずつ。
もちろん手作りらしいそれは、片方は不恰好だが、片方は子どもが作ったとは思えないほど
綺麗で、そのアンバランスさというか、対照的さがそれぞれの性質を現しているようで、可愛らしい。

草壁は、不覚にもじーんと身が震えた。

自分に子どもはいないが、今まさに子どもに誕生日を祝ってもらった父親の感動がわかってしまった気がする。
元来義理人情に厚い男はこういった事柄に滅法弱い。
「お2人の言葉も、このプレゼントも、とても嬉しいです。
本当にありがとうございます。」
「えへへ」
「・・・・・・」
大好きな青年が本当に喜んでいることを感じ取ったのか、2人はえらく上機嫌だった。
しかしそこでふと、少女が気づいたように声を上げる。
「でもくさかべさん、これからはよねんくらいにいっかいしかとしとらないでね!」
「はい?」
「ひな、まだまだおっきくなれないんだもん。またくさかべさんのほうがおっきくなっちゃった」
「・・・・・・?」


「でもあとじゅーねんぐらいしたらひなおっきくなるから、まっててね!
がんばっておっきくなって、くさかべさんのおよめさんになるから!」


どこかで似たようなことがあった、と、遠くなりかける意識の端に浮かんだ。
貰ったプレゼントを取り落とさなかった自分を、心底褒めてやりたいと草壁は思った。

それまでほかのひととけっこんしたりしないでね、と少女は真剣である。
少年の方はといえば、ひなの方が先に生まれてればよかったね、とやはり真剣である。
色々ありえないはずなのに、着々と外堀だけは埋められていく。



とりあえず、タイムリミットはあと10年らしかった。




色んな意味で。副題は「だいすきくさかべさん」
だいすきいつ○ごな感じで(爆)
つな誕もできなかったのに初の誕生日が草壁さんで
おまけに子どもネタって・・・・・・アイタ!
当初の予定では(というかプロットでは)これよりずっと長かったんです。
それこそ前後に分かれそうなぐらい(え
でも時間がなかったので断念。
いやもうほんとすいません・・・・・・!
何はともあれ草壁さんお誕生日おめでとうございます!

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